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【Wheel Robe】割れた中底を交換
] パカっと靴底が剥がれたWheel Robe。 ソール交換のご依頼です。 内部を見ると中底まで割れてしまっているのが確認できます。 こうなってしまうと新しい中底を作り直した方がよいでしょう。 解体および中底作成 アウトソール部分を全て外しました。 屈曲する部分(ボールジョイント)に亀裂が見えます。 ウィールローブの中底は、薄い革のシートと薄いボード材を貼り合わせて作られています。 今回の個体ではボード材でできた基部が破断していました。 新しい中底は一枚革のショルダーレザーで作成していきますが、オリジナルのシャンクは問題なかったので再利用できました。 Dr.Soleで生まれ変わった姿 今回はガラッとイメチェンし、Dr.Soleのスーパーグリップセットアップでビルディングしています。 革積み上げは2段入れてナチュラル仕上げ(無着色)。 JADE(ヒスイ)とタンカラーが爽やかな印象です。 アーミーグリーンの平紐でアッパーとソールとの調和を意識。 一枚革の中底は接着層がない分屈曲性がよくなり汗の吸湿量も多くなるので、着用時の快適性は向上できたと思います
9月13日


【REDWING1116】芳香剤臭いブーツを脱臭&先芯抜きカスタム
98年頃の製造と思われる、レッドウィングのペコスブーツ。 ユーズドで入手されたもので、「フラットボックス化したい」というご依頼です。 さらに、もともとの中底がウレタンクッションと合成パルプを貼り合わせたタイプだったため、今回はレザー中底への交換も行います。 特筆すべきはもう一点。 画像では伝わりませんが、実物はかなりニオイがきついです。 前オーナーさんが使用したと思われる芳香剤なのか、ココナッツ系の甘い香りがブーツから強く発せられていて、拭いても拭いても取れないとのこと。 修理ではボトム周りを全交換するので、せっかくならアッパーの脱臭も試してみることにしました。 今回は「ニオイに特化したアプローチ」ということで、水を使ったクリーニングではなく、「粉」を使ったクリーニングを試します。 まずは解体 ヒールパーツ、アウトソール、ウェルト、中底など、ボトムを構成するパーツを順番に解体していきます。 先芯はウェルトを外すことで、ようやくアクセスできるようになります。 取り外した中底から型を採り、ショルダーレザーで作り直します。 可動域にあたる肩部分の革は、
9月11日


「綺麗に直す」が正解とは限らない。アルチザンの靴修理】
靴修理の仕事をしていると、「綺麗に直す」という言葉について考えさせられることがあります。 傷んだ箇所を取り除き、形を整え、左右を揃え、できるだけ元の状態に近づける。 これは靴修理において、とても大切な技術です。 日本の靴修理には、こうした「綺麗に、確実に、丁寧に直す」という美意識が強く根付いているように思います。仕上がりの均整や耐久性を追求し、細部まで手を抜かない。そうした仕事を支えてきた職人さんたちは、街の修理店から百貨店の工房まで、決して少なくありません。 私自身も、これは日本の靴修理が持つ大きな長所だと思っています。 ただし、靴によってはその「綺麗さ」が必ずしも正解とは限りません。 その代表的な存在が、いわゆるアルチザン系の靴です。 ●アルチザン系とは そもそも「アルチザン(artisan)」とは、フランス語で「職人」を意味する言葉です。 ただ、現在ファッションの世界で使われる「アルチザン」は、単純に「手作り」という意味ではありません。素材の選択から造形、縫製、仕上げに至るまで、作り手自身の判断や技術が強く反映されているものです。大量生産で
9月9日


【J.M.Weston】ウエストンにありがちな『音なり現象』
これまで何件もご相談いただいたのが、「Westonが音なりする」というお悩みです。 「音なり」とは、歩くたびに「ギュウギュウ」「キュッキュッ」といった音が発生する症状のこと。 原因はいくつかありますが、革靴の場合はソール内部の摩擦や軋みによって発生しているパターンが多くあります。 ソールは歩くたびに曲げられ、体重によって力が加わります。その際、ソールを構成するパーツ同士がわずかに動き、摩擦することで音が発生します。 ●音なりに対する認知のズレ 実はこの「鳴る」という現象、かつては必ずしも悪いものとは考えられていませんでした。 靴底を糸で縫って留めるハンドソーンやグッドイヤー製法の靴では、歩くたびに音が鳴ることがあり、昔はそれを「伝統的な技法で仕立てられた革靴の証」と捉える向きもあったようです。 なかには「鳴り革」と呼ばれるパーツをわざわざ内蔵し、音が鳴りやすいように作られた靴も存在しました。 『歩くたびに革靴を鳴らして練り歩くことが「粋」とされた時代があった』事を、浅草の長老的職人さん方から直接伺った事もあります。 しかし、大量消費時代以降、状況
8月28日


【WHITE’S】セミドレスを軽量化カスタム
パーツ点数の多さと釘を多用した作りでドッシリ重いヘヴィ級ブーツのホワイツ。 安定感と耐久性への信頼感は絶大な一方、「重くて足が疲れる」というお声も聞きます。 今回は「ホワイツらしさは残しつつ、もっと軽くしたい」とのリクエスト。 要点は二つ。 ①VIBRAM700からVIBRAM269へ変更 ②ダシ縫いをツイン(2本)からノーマル(1本)に変更 比重の高いブタジエン混合のVIB700はソール厚が7〜8mmあり、踵まで等厚です。比重が高い分ズッシリした重みがあります。 一方でVIB269はもう少し軽く粘りのあるコンパウンドで街歩きに◎。 5〜6mm厚ですが、ウエスト以降は3.5mmとさらに薄くなるのでボリュームを抑えられます。 同じ#10番サイズで比較すると ・VIB700 542g ・VIB269 250g ソール材料単体だけでもこれほどの差が出ます。 次にダシ縫いです。 ホワイツには底縫いを二回かける仕様もあります。 もちろん靴底を固定するために縫いをかけるのですが、外側に展開したウェルトがめくれてこないようフォアパート部分は二回縫うのです
7月24日


【MONCLER】靴底が崩壊したブーツ、復活させます【加水分解】
まずはこちらをご覧ください。 (”ひでぶっ!状態のソール) レジャーやアクティビティに使いやすいMONCLER。 アッパーこそ綺麗なものの、カップ型のソールが爆裂四散しています。 典型的な「加水分解」を起こしていて、ここまでくるといっそ解体する手間が省けます。 『シーズン中しか履かないので着用頻度こそ低いものの長年愛用してきたお気に入り。オリジナルから変わってしまってもいいのでぜひ直したい。でもかっこ悪いのはイヤ』とのご依頼です。 外殻の役割を果たすアウトソールと、クッションの役割を担うミッドソールで構成された二層タイプのカップソールでオリジナルは設計されています。 そっくり同じソールは勿論ありませんので、今回はサイドカバーを新規作成しアッパーをまとめ、その後VIBRAMのカップソールを貼って組み上げていきます。 ではまずサイドカバー。ラバーで作る場合もありますが、今回は大人っぽく革素材で作成します。 まずはオリジナルソールの稜線を型取り。この型に合わせてサイドカバーを造作していきます。 型紙をもとに切り出した革を本体に巻き、ソールの接着跡を隠し
6月27日


【RED WING8169】先芯抜き&ヒール付きペコスにカスタム
おなじみのトラクショントレッドを装着したペコス8169。 今回は大胆にイメチェンしました。 ●カスタムメニュー ・VIBRAM705セパレートソール(シャンク新設) ・レザー積み上げ+ロガーヒール仕立て ・リウェルト+先芯抜き ・熱ゴテ仕上げ 柔和なペコスブーツから、エンジニアやロガーブーツにも通ずるストロングなスタイルに様変わりしました。 ヒールが付くとクラシックなワークブーツっぽくなるので当店でも人気のカスタムです。 ところで、ヒール付きにする場合には重要な構造変更が必要になります。 それは「シャンク」を追加することです。 シャンクとは土踏まず部分に内臓される強固な芯材。 荷重を受け止めつつ、バネのようにしなることで体重移動をスムーズに行い歩行のエネルギーに変換してくれる重要なパーツです。 これがないと屈曲位置がズレて歩きにくかったり、アッパーや底材の歪みを助長してしまいます。 シャンクゾーンが接地しているトラクショントレッドソールのモデルは、最初からシャンクが入っていません。アウトソールがシャンクの役割を果たしているからです。...
6月6日


【CAROL CHRISTIAN POELL】革破れのタタキ補強
CCPのGoodyear Darbys。 ホースハイドのうねる皺がとてもダイナミックなペア。 履きこみ方もダイナミックで所々クラックが広がっています。アルチザン的世界観としてはカッコいいんですが、さすがに 強度の低下 が著しいため、今回補強を行いました。 ・屈曲部分(ボールジョイント) ・履き口まわり ・羽根の付け根(カン留め) いずれも負荷や摩耗によってダメージが蓄積していますので、一旦アッパーパーツを少し解体し 内側に当て革を貼りこん でいきます。 表から革を当てる方法(俗にいうチャールズパッチ)もありますが、 進んだエイジングの魅力を隠したくない ので裏からのみ支えています。 土台の補強が済んだらクラック部分をミシンでタタいていきます。 ステッチが通る事で 剛性 が出るので、物理的にクラックを”ロック”することができます。 ウェスタンブーツのステッチ装飾部分は結構ハリがあるんですが、概ねそんなイメージですね。 縫い込むほど硬くなってしまうのでやり過ぎも良くない のですが、強度と履き心地、そしてスタイリングのバランスを見ながらステッチをかけて
2月14日


【NICKS BOOTS】歩くたび”ギーギー”音が鳴る事象について
ステッチダウンのタフなワークブーツとして評価を得ているニックスブーツ。 履きこまれた形跡があり、オーナー様も随分と気に入って愛用されている様子がうかがえます。 しかし気になるのは踏み込むたびに 「ギー、ギー、」 とウナるような音。 いわゆる ”音鳴り現象” です。...
2025年9月27日


フラットボックス&スペードソールカスタム完結編【RED WING875】
前回ウェルティングまで紹介しました。 ここからはいつもどおりのリソール工程になりますので、いきなり仕上がりをご覧ください。 (踏みつけ部分とヒール部分はボリュームを出し、踏まずのはくびれを意識) (ダシ糸は生成り。ウェルトの造作にコントラストを生む)...
2025年4月3日


アイリッシュセッターをスペードソールに?鍵は”リブテープ”にあり【RED WING875】
半円犬タグ期のRW875。 赤みを帯びたその色に、かつての渋カジブームを思い出す世代も多いのではないでしょうか。 (Beforeは撮り損ねていたので「VINTAGE RED WING」から引用) お客様のご要望は、 「レザーソールでスペードソールっぽくして欲しい。さらに先芯...
2025年4月2日


プラスチックからレザー素材へ【CHIPPEWA】
チペワ白タグ期・ショートエンジニアのリソール事例です。 チペワに限った話ではありませんが、エンジニアブーツには 樹脂パーツ がしばしば採用されています。 安価に量産でき、品質が均一なため作業靴にうってつけです。 特に目立たない ”ハチマキ”...
2025年3月29日


【新素材】Dr.Sole Tumaz Lug Sole "Takeyabu"
Dr.Soleの2025年 新作マテリアル が登場です。 従来のTumazがガラリと姿を変えて生まれ変わりました。 変更点は三つ。 ①ツキノワグマをイメージしたブラックカラーから、 アーミーグリーンカラー に。 ②コンパウンド(素材配合)がニトリルブタジエンから ブタジエン...
2025年3月5日


【GUIDI】革破れをグイディの革で補修
今回はGUIDIのホールカットスリッポンの革破れを修理しました。 (イタリアはトスカーナ、老舗タンナーでありつつ自社のシューズも製作する GUIDI 社。オイルを豊富に使用したフルベジタンや、タンブラーダイ(製品組み立て後に後染めする手法)などを駆使し、革の表情あるいはモノ...
2025年2月20日


【Tricker's】VIB705ぶった斬りカスタム【HENRY】
お仕事でもガンガンブーツを履いてらっしゃるリピーター様からトリッカーズのカスタムご依頼です。 毎度ソールが酷使されるので、とにかく 耐久性 が重要。 とは言え、自分の気に入ったファッションに身を包んでいたいのは仕事中だって同じ。 そこで 耐久性ピカイチのVIBRAM705...
2025年2月19日


【Hunkidori】正統派ロガーブーツを普段履き仕様にデチューン
ランバージャック(手挽きノコギリを使う古風な木こり)御用達のスパイク鋲付きロガーブーツ。 数あるワークブーツの中でも 専門スペックに振り切った ガチンコのワンペアです。 日常の動線がほぼ舗装路で構成されている大都会・TOKYOでは、流石にこのスパイク群は街履きに不向きすぎる...
2024年12月28日


リッジウェイソールをセパレート化カスタム【Tricker's】
オールシーズンで活躍してくれることは間違いないんですが、ことさら秋冬のスタイリングにハマるのが 「トリッカーズ」 。 気温も下がりそろそろブーツのホットシーズンが到来です。 さて、今回はリッジウェイソールの ”セパレート化”カスタム の紹介です。...
2024年11月7日


【GUIDI】穴の開いたブーツを革当てタタキ補修
この姿を見れば、どれだけ愛用し履きこまれてきたか、言葉がなくても伝わることでしょう。 お友達にfans.を紹介してもらいご来店されたとのこと。 口コミありがたし。 さて、今回は 擦り切れた穴を革でふさぐ 修理方法をご提案しました。 ・つなぎ目をゼロ漉き (革厚を薄く削ぐ)...
2024年10月16日


【ROLLING DUB TRIO】”黒備え ”COUPEN
Black ChromexcelのCOUPEN。 切りっぱなしのコバはあえて染めず、茶芯がチラ見えしています。 純正ではソール周りもブラウン系でまとめられておりますが、今回は 「オールブラックに仕立てたい」 とのリクエストをいただきました。 ・VIBRAM700...
2024年9月26日


【SANDERS】曲がりやすいスリット入りソール「VIBRAM9105」
トラディショナルな英国スタイル をベースにしながらも ミリタリーテイストを強調した佇まい で、往年のファンのみならず若者の支持を獲得し続けているサンダース。 歴史的背景がもたらす機能性とロマンを感じます。 今回当店に持ち込まれたペアはチェルシーブーツにCap toeが搭載されたややワイルドなタイプ。 革違いやソール違いでバリエーション展開されているサンダースの代表モデルです。 (写真撮り忘れ) ビフォーの写真を撮り損ねてしまいましたが、純正は ヒール付きのコマンドソール が搭載されていました。 しかしオーナー様としてはやや重く使い勝手が悪かったそうで 「もっと軽くしたい」 とのご相談をいただきました。 ソールカスタムにおいて、靴を軽くする場合は主にふたつのアプローチがあります。 ①軽いソールを使う ②パーツ点数を減らす まず①ですが、とてもシンプルなやり方です。単純に より 軽い素材を使えばその分減量 できます。 ソールにも色々な素材があり、例えば一般的な合成ゴムの60~30%ほどしか重さがないソールもあります。 次に②です。 靴底はたくさんのパ
2024年9月25日
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