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【なぜ今、我々は豚革にこだわるのか】

  • 4月12日
  • 読了時間: 3分

更新日:4月16日

最近当店で採用した”SireHog”。

その特徴については以前のブログで紹介した通り。




では何故この革を当店のオーダーマテリアルにラインナップするに至ったのか、今回はその背景をお話しいたします。


まずは前提として、世に出回っているほとんどの皮革素材は食肉需要の副産物です。

副産物とはお肉を得る過程で、色々出てくる”余り物”


・皮

・脂

・骨

大別するとこの三つです。


牛や豚はもちろん、エキゾチックレザーとして有名なワニやダチョウだって食肉消費と連動しつつ皮が利用されています。

人類が食肉文化を継続していく以上、必ずこの副産物も発生していくわけです。

さて、ここからが本題です。


なぜ今、我々は豚革にこだわるのか?

それは日本が『豚肉大好き』な国だからです。


日本の国土面積やコスト面などの理由から、牛と比べて豚は育てやすい環境にあります。

スーパーの精肉売り場を見ても『国産』表示の豚肉がズラリと並んでいます。



(普段の食卓にのぼる機会も「牛肉より多い」という方も少なくないのではないでしょうか)
(普段の食卓にのぼる機会も「牛肉より多い」という方も少なくないのではないでしょうか)

日本ではたくさん豚を育て、たくさん豚を食べているのです。

当然副産物たる皮もたくさん出ます。


豚の皮は国産で自給できる唯一の皮革素材であり、なんなら中国やアジアに輸出しているほどです。中国では食材として活用されるそうですが、日本ではあまり食用されることはありません。

それどころか国内では皮が余るほど出ており、その処理に困っているほどです。

豚の皮は見向きもされないほど、役に立たないのでしょうか??


そんなはずはございません。

あまり広く知られておりませんが、豚革はとても優れた物性を有しています。


・耐摩耗性が高い(すり切れにくい)

・比重が低い(軽い)

・毛穴が貫通していて吸放湿性に優れる(蒸れにくい)

・関税や高い輸送コストがかからず、単価が比較的お手頃


実はこんなに優秀なのに、供給過多になるほど利用されていないのです。


実際ここ20年間を見ると、国内の皮革製造量は1/5まで減少しているそうです。

日本では皮革製品の需要が下がっているのでしょうか?


経済産業省や都立皮革技術センターによる皮革関連統計資料によりますと、国内の皮革関連製品の需要は過去20年間減っておりません。


つまり、外国産の革消費が多くなったというわけです。


我々も耳が痛いところですが、海外タンナーのブランド革を重用するあまり、国内の皮革製造量の減少が進んでいるのです。


しかし冒頭に申し上げたように、食肉文化を捨てない限り副産物たる皮は余り続けます。

焼却や埋め立てには膨大なコストがかかりますし、せっかく出た素材をそのまま捨ててしまうのは、やはりもったいない。


皮革産業には、その循環をつなぎとめる役割があると思っています。

「豚革を有効活用することで世界の消費秩序を整えている」と言えば、いささか大げさかもしれませんがあながち誇張でもないはずです。


自由な選択肢が増えた時代だからこそ、自分たちが何を選ぶかがそのまま「意思表示」となります。


“食べてよし、使ってよし”


健全な消費サイクルを回すためにできること。

選択肢のひとつとして、SireHogを手に取っていただけたら嬉しいです。


Yuma.

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