【Order】コンビ革が単なる”見掛け倒し”ではない理由



Design: 0044HB
Last: AR-724
Leather: ①猪 茶 / ②SireHog
Size:UK 6 ウィズD (+右足小指乗せ甲オプションあり)
Goodyear welt
Price:108,000yen(+TAX)
姫路のジビエ猪。
関東の養豚。
それぞれ地の利を活かした内地(国産)レザーのコンビネーションでご依頼いただきました。
最近はもっぱら豚革熱が高まっているH.araiですが、ダブルで採用した”欲張り仕様”となっています。
と言っても、今回の作品のすごいところは単に珍しい革を詰め込んだのではなく、異なる素材でありながらスタイルも機能も連動し調和している点にあります。
革について
①「猪」 :姫路のタンナー・オールマイティにて開発していただいたジビエ革。タンニン鞣し。オイルを豊富に含ませる事でしなやかかつこっくりとした質感が魅力。野生獣ならではの個体差がドラマチック。
②「SireHog」 :養豚における『種父』の革。遺伝的なフィジカルエリートが選ばれ、通常の食肉用豚革とはまるで違ったハリと強靭さを誇る。同じくタンニン鞣しで油分は少なめゆえ汗の抜けに優れる。鞣しの仕上げにスクラッチ(擦り傷)加工がされており傷が紛れやすい。
今回は①をシャフト部分に、②をヴァンプ部分に採用しました。

足首周りは曲げ伸ばしやひねりの動きが加わるので、追従性のよさが求められます。オイルを含んだ「猪」は可動域を阻害せず寄り添ってくれます。

逆にヴァンプ部分はぶつけやすく足を守る強度が求められます。リラックスしたローファーなどであれば柔らかさを優先させてもよいのですが、ブーツであればタフな素材がオススメ。その点「SireHog」は耐摩耗性と引っ張り強度があるので安心です。
求められる物性に合わせ適材適所で使われる事で、素材の持ち味が発揮されるのです。
見た目にも印象的な効果
さらにヴィジュアル面でも印象的です。
豚と猪の近しいテクスチャを有しながら、色味のトーンが異なります。
猪はやや明るいマホガニー。
SierHogは赤みがかった暗褐色。
コントラストによってGargouilleの特徴である羽根の切り替えラインがくっきりと浮かび上がります。
しかし不思議と統一感が生まれ全体が調和しています。
これは重心と濃淡が揃っているからです。
もし逆位置に配色してしまうと、濃い色が高いところ(シャフト)にきて淡い色が低い位置(ヴァンプ)にきてしまいます。そうなると見た目の安定感に欠けてしまうのです。


色相の組み合わせを工夫したり質感イメージを相互に補完することで、独自の世界観やスタイリングを展開することができるのです。
コンビ素材はオーダーで
このように、革靴にはパーツごとに役割があり、それぞれにふさわしい素材を使うことでクォリティアップや新たな可能性に繋がります。
しかしコンビ仕立ては管理コストがかさむ上にカルチャーの影響も強いので、既製靴ではなかなかお目にかかれません。
その点オーダーであれば自在にコンビ靴を作ることもできるので、プロダクト設計に興味がある方には楽しい仕様です。
素材ごとの相性や特性など、ご提案もできますのでお気軽にご相談ください。


YUMA.

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