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【KOTOKAを長く履くために】

更新日:2024年1月30日



靴作り産地・奈良から発信されているKOTOKA

ステッチダウンを中心とした軽い履き心地の履物を主流にした県内7社の合同製作によって展開されています。



KOTOKAは素材も製法もとにかく柔らかい。

ウェルテッドシューズとは根本的にフレックス具合の次元が違います。

比較的硬い靴に馴染みがない女性にウケているのも納得です。

無論ソールも軽量なクッションソールが採用されていますが、履きやすさゆえにヘビロテしてしまいソールが限界突破してしまう事例も少なくないようで。



(ソールの溝がすり減り滑ってしまうとのこと)


ステッチダウン製法は木型ありきで底付けをしているので純正木型がない環境下ではできればダシ糸を外さないのが安パイ、というかKOTOKAの柔らかさであれば鉄則。


ステッチダウンで有名なWESCOあたりなら革が硬いので、ダシ糸をバラしてもアッパーが木型を覚えており、ある程度の復元性が担保されます。

ところがKOTOKAはとことんふにゃふにゃ。

リソール事例を見てもミッドソールはバラさずにセメントのアウトソールのみ張り替えているパターンが多いようです。

私も今回その方法をオススメしましたが「リスクは承知の上で底縫いから革靴っぽくしたい」とのご要望を受けリソールしました。







レザーのアウトソール主体でオーセンティックなコンストラクションではありますが、ランニングコストに優れたハーフラバー交換式の構造にしています。

採用したラバーはフランスのコンチコンタクトソールのセットアップ。

マイナーですがこのソールは非常によく考えられていてすごいです。


4mm厚仕様は接着で取り付けるタイプの中でも最大厚です。

それ以上になると縫合やビス留めがないと長期的にはツライ。


つまり消耗品としてのデイリー修理カテゴリーではかなりの耐久性を備えています。

そしてもっとすごいのがそのパターン配置。





削れやすいつま先は4mmの元厚になっていますが屈曲部に差し掛かるとギザ状の歯型が連続します。

大ぶりなギザは泥や雪の目詰まりを起こしにくく悪路でもグリップ性能が損なわれません。

さらにギザの谷にあたる土台部分は非常に薄いので厚口ラバーにありがちな反発力も発生しにくい。


コンチコンタクトは履き心地を阻害せぬまま高耐久かつグリップ性能を両立しているのです。


コンパウンド(ゴム配合)は若干の粘りこそあるもののやや固め。

コンビニで流行ってるハードグミみたいな感じです。

粘りはあるけどハード。

支える系クッション感も感じられるので足運びも力強く踏み込めます。

ダシ糸のおさまるドブ(アウトソールに掘られた溝)は深めに掘ってあります。

ハーフラバーの張り替えを今後繰り返しおこなっても底縫いに影響しないよう仕立ててあります。

コストやリスクの大きい総張り替えはよっぽどじゃなきゃ当分必要ないはず。


見た目は好みによると思いますが、サイドからのぞくギザ歯型のやりすぎない泥臭さがGOOD。

「林道オフロード」というよりは「ダートトラック」くらいの塩梅ですかね。


基本アーバン、いざとなればあぜ道だって。

そのくらいのざっくりしたシーンとメンタリティで履くペアにぴったりです。


デメリットは個体ごとの色ぶれが多いことかな。黒と茶色の間を行ったり来たり。

でもそのぼんやりした感じが謎の貫禄やレイヤー感を生んだりするので、そこをポジティブに捉えてくれる方にオススメです。







コバは無色仕上げでベンズの風合いを活かして。





直しながら履き続けることのできる機構を搭載する。

耐用年数がべらぼうに長い、”革靴”としての重要なアイデンティティの一つではないでしょうか。


YUMA.


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