【Hýdra Belt 発売】
『Hýdra Belt 124cm』:23,000円(税別)

● 革の可能性を、もう一度組み直す
fans.eternalでは日々注文靴を作り続けています。
誂え靴の製作では、一足ごとに異なる型紙を革へ配置するため、大きな革を効率よく使い切ることはできません。
優れた革質を有しながら、小さすぎる残革が"裁断の余白"として生じてしまうのです。
Hýdraは、その革をもう一度「素材」として再認識するところから始まりました。
一握の革からさらに小さな"一環"を切り出し、一枚革では成立しない別の形を構築する。
靴作りの過程、革を切り分けることで生まれた欠片が、今度は互いに連なり、一本のベルトになる。
そうやって誕生したのが『Hýdra(ヒュドラ)』なのです。
● なぜ、リンク機構なのか

Hýdraは約90~100個程度の革リンクを連ねて作られています。
リンク同士は純粋に編み込まれているだけで形を保持し、まるで鎖のような構造になっています。
よって一枚革のベルトとは異なり、帯そのものが固まっていません。
そのため、腰に巻いたときには身体の動きに合わせてリンクが細かく追従します。
締めている間は一本のベルトとして機能しながら、座る、屈む、しゃがむといった動作をしなやかに吸収します。
20mmという細幅も相まって、ベルトによる圧迫感や、腹部に食い込むような感覚が少なくリラックスしたスタイリングが可能。
さらにリンクの隙間から空気が抜けるため、革のベルトでありながら、暑い季節でも爽やかに着用できます。


● 使える長さも、リンクで決まる
Hýdraには決まった穴位置がありません。
リンクの通し穴をそのままバックルのホールとして利用することができるので、リンク単位での長さ調整が可能。
さらに、必要であればリンクを増やしたり減らしたりすることでベルトそのものの長さを変える事もできます。
一本のベルトを、体型や好みの変化に合わせて使い続けられることはもちろん、パーツが消耗、破損した場合も分解し再構築することで長く愛用できる設計になっています。
● 革について

イタリア・トスカーナのタンナー、Tempesti社のエルバマットを採用。
ベジタブル鞣しのエルバマットは、丈夫なベンズレザーでありながら豊富に含まれたオイル分によって、強度としなやかさを両立しています。繰り返される負荷に耐えつつも、身体にフィットし運動性を阻害しにくい特徴を持っています。
使い込むにつれて摩擦によりオイルが表面に上がり、徐々に艶(グレーズ)が現れ、黒はさらに深くなっていきます。
リンクはすべてエルバマットから作られていますが、すべてが同じ表情になるわけではありません。
革の部位、リンクの位置、身体との接触、摩擦の強さ。
それぞれの違いによって、艶の出方にも少しずつ差が生まれます。
重なり合う部分は磨かれ、よく触れる場所には強い光沢が現れる。
一方で、摩擦を受けるエッジには革繊維の荒びれが残る。
均一に仕上げられた工業製品とは違った、使い手と時間によって変化していく黒です。
● バックルについて

真鍮生地(無垢材)の帆型バックルを採用。
力強いスクエア型ですが、ベルトの厚みを吸収する立体構造になっているため腰回りに余計なボリュームを生まず、ナローなベルトのシルエットを保ちます。
メッキやコーティングを一切施していない真鍮そのものなので、使ううちに表面の質感がくすんでいくこともあえて魅力と解釈。
最初は粗く尖った金属光沢が、経年によって「焼け」と「とろ味」を帯びるように変化。
そんな退廃的な深みの中にも、ピン先端やアタリ部分には無作為に磨かれた輝きが宿るのです。
通常の品質管理下において悪しきものとされる"真鍮のゆらぎ"を、恐れる事なく体験してみてください。
● 一つずつ、組み上げる


Hýdraは量産を前提とした製品ではありません。
革の選別からリンクの裁断、漉き、組み上げ、手縫いまで、一つずつ製作しています。
リンクはおよそ100個。
それらを一つずつ組み合わせることで、一本のベルトが形になります。
細い革をただ連ねただけではなく、細かなリンクの反復そのものがHýdraの造形です。
20mmとナローな幅でありながら、リンクが連なる立体感と幾何学的なディテールが濃密な存在感を発揮。単なる華奢なベルトとしてとどまることなくコーディネートのアクセントとしてスパイスを効かせます。
長く垂らした剣先は抵抗なく重力のまま落ち、身体の動きに合わせて繊細に揺れ動きます。ロマンチックかつアンニュイな素ぶりが、抜け感のあるアダルトな雰囲気を放ちます。
●●●
革とは何か。
革の可能性とは何なのか。
型紙からあぶれて切り分けられた断片を拾い集め、価値を再び結晶化させる。
破壊がむしろ、次なる増殖を呼び起こすように。
切り落とされた首から、新たな首が生まれる水蛇の怪物、Hýdra。
刃を振るうほどHýdraは更なる首をもたげるだろう。



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