英国靴メイカー・SANDERSの代表モデル”ブリットチャッカ”。
このモデルを見るとスティーブ・マックィーンを連想する人も少なくないのでは。
足あたりのやわらかいスエードアッパーと、クッション性のあるクレープソールで軽快なはき心地が楽しめます。
特徴のひとつがソール外周をぐるりと覆うマッドガード。
その名の通り泥よけの役割を持っていますが、「生ゴム」ってところがちょいと厄介……。
生ゴムは柔らかく粘りがある伝統的な素材ですが、そのナチュラルさゆえに熱や薬品に弱く経年劣化が顕著な素材です。
古くなってくるとデロデロとイヤ~なベタつきが出たり、逆に硬化しカリカリになったり。
特に夏のアスファルトはとんでもない高温になるのでガム踏んだかと思うくらい融けてくっついてしまいます。
そこに土埃がくっついてしまい、さらに歩行で左右の靴が擦れて結果的にむしろアッパーを汚してしまう負の連鎖......。
今回は劣化したマッドガードを全交換し、ソール踵部分の摩耗を補修しました。
(まずは古いマッドガードを剥がします)
(ヒール部分を補修してのちサンディング。劣化部分を取り除きました)
(ボンドを塗る)
(マッドガード用のシート状クレープ素材。アッパーに沿うようトレースして裁断)
生ゴムは接着性がよく部分補修でも十分損耗を補えます。
継ぎ足し系修理とは相性がいいのがクレープソールのメリットです。
機能に基づいた素材選びの基準があり、ライフスタイルに照らし合わせた修理方法を選び取っていくことが大切です。
それはスペックだけではなく、コストやスタイリングも要因として含まれます。
ご自身に合ったご提案をいたします。
YUMA.
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