とある夏の日、ふと思いました。
毎日たくさんのブーツマンがお店にやってくるけれど、彼らもサンダルとか履くのかな……。
非ブーツマンのお客様は当然ラフなスリッポンやサンダル姿ばかりです。
私は足元がしっかり固定できるブーツが楽だから夏でもブーツ履いています。
同じような趣味のお客様には結構共感してもらえますが、夕涼みの風に素足がさらされるサンダルの心地よさも確かにたまりません。
あれはあれで風情があって季節を楽しむ方法の一つでしょう。
一日の中で、少し脱力する時間があってもいいかもしれない。
じゃあブーツマン達が休憩中にリラックスするためのサンダル作るか。
ブーツ好きも思わずブーツ脱いじゃうようなのを笑
そんな思いつきからスタートしました。
ハードなイメージの強いワークブーツですが、一番ブーツ脱がなそうな職業がロガーでした。
そこでロガーブーツからイメージを膨らませていくことに決定。
ブーツコレクター・speedtwin1953様(Instagram)よりお借りしたヴィンテージロガーブーツ
ここで軽くロガーブーツに触れます。
ワークブーツの代表格として広く認知されているロガーブーツ。
その名の通りロガー(林業従事者)のために作られたブーツです。
ぶ厚い革とすね丈以上まで編み上げたロングシャフト、スパイクやラグパターンをあしらったタフなソール。
滑落は命取り。鋭いスパイクが足元を支える
特にアメリカにおける発展の象徴的職業の一つとしてアメカジファッションにも多大な影響を与えています。
チェーンソーやヤーダーと呼ばれる運搬重機などを駆使し瞬く間に森を拓いていく様は圧巻です。
しかし古くは樹齢数百年の巨木を数人がかりで切り倒す、いわゆる「木こり」としてアメリカ建国黎明期を支えてきました。
1905年のアメリカにおける伐採作業 引用:「森へ ダリウス・キンゼイ写真集」 アボック社出版局
背丈ほどもある長尺の手挽きノコギリで伐採し大河の流れを利用し丸太を運ぶ。
そんな彼らは「Lumberjack」と呼ばれていました。
「lumber(材木)」+「jack(男、奴)」という語意で構成された言葉のようで、訳すなら「切り株野郎」もしくは「森キチ」あたりでしょうか。
マシーンを繰るロガーよりも、腕一本斧一本で森を切り拓くランバージャックこそ思い描いたイメージに近いように感じ名前をもらいました。
Lumberjackは土の匂いを感じるような風合いと革の経年変化を存分に楽しめるように、ごくごく薄い表面仕上げのみおこなっております。
あとは手に取ってくださったあなたが、この大地で暮らすことを通して、Lumberjackに「森」を投影させてください。
YUMA.
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