プラスチックからレザー素材へ【CHIPPEWA】
- fanseternalofficia
- 3月29日
- 読了時間: 2分
チペワ白タグ期・ショートエンジニアのリソール事例です。

チペワに限った話ではありませんが、エンジニアブーツには樹脂パーツがしばしば採用されています。
安価に量産でき、品質が均一なため作業靴にうってつけです。
特に目立たない”ハチマキ”なんかは多くのメーカーが採用していました。

最近では40~50年代を意識した、レザーメインで組み上げている高級エンジニアブーツもたくさん出回っていますが、80~90年代のジャンクなエンジニアブーツなんてほぼほぼ樹脂パーツじゃないでしょうか?
このチープな質感が、当時のカルチャーを感じさせてくれて味がある一方で、素材や仕立てを根拠とした、モノの持つ「迫力」に欠けていることも否めません。ありふれた感じというか。。。
そこで今回はプラスチックパーツを排し、革素材に組み替えソールを構築しました。






・ハチマキ(ヒールパートのウェルト)
・ヒールベース(ソール踵部分の高さを出すためのパーツ)
・ラバーミッドソール
接地するアウトソールを除く構成パーツにおいて、上記3点が合成パーツでした。
今回はハチマキとヒールベースをベンズ(背中)で作成。
ミッドソールは除去しDr.Soleのシングルソール仕立てで構成しました。



ハチマキは非常に目立たない箇所で、コストカットのためにショルダー(肩)やベリー(腹)(のさらに余ったとこ)で作られることが一般的です。
ベリーなんかは特に繊維が緩いため、ぶつけたり水に濡れてブヨブヨバサバサになっている靴もしばしば見ます。
せっかく革に変えても、スペックが低ければ意味がありません。樹脂パーツの方がよっぽどしっかりしてます。
ブーツだとヒール周りもぶつけてしまうこともしばしばありますので、繊維が詰まったベンズを使い、ダレないヒール周りを目指すのです。
コストが高く加工が大変ですが、我々は量産ではないのでハチマキだってこだわりたい。
ディテールへのこだわりも、カスタムの楽しいところではないでしょうか。
(ちなみにベンズハチマキは宮城興業さんから購入しています。量産メーカーでありながら、クオリティのためパーツ作成も内製化していてこだわりがパナい。同業さんにもおすすめします。)
YUMA.
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