安い。
丈夫。
軽快。
労働者ファーストで開発されたRED WINGのスーパーソール。
一般的な合成ラバーに比べ高い耐摩耗性を誇りながら、内部の微細な気泡ポケットが荷重を受け止めてくれます。
しかもダシ縫いを必要としない量産向きの製造工程のため、販売価格が1万近く抑えられます。
どっこい良い事あれば悪いところもあるもんです。
それは”加水分解”。
ソールが経年によりボロボロ崩れたりネチャネチャ粘ついたりする現象です。
こうなると物性を回復させるすべはなく全て除去しなくてはいけません。
(加水分解したスーパーソール)
原因はソールを構成している「ウレタン」です。
ウレタンは空気中の水分と反応し、酸とアルコールに分解されます。
そうするとウレタン分子の結合が切れてしまうので形状を保持することができなくなり崩壊してしまうのです。
スーパーソールに限った話ではありませんが、冒頭で挙げた優れた物性は靴底にうってつけであり、ウレタンソールは広く普及しています。久しぶりに履いたら靴底が剥がれたり砕けたりした経験がある方も少なくないはず。
乾燥したミネソタではあまり問題にならないそうですが、湿気が多い日本ではほぼほぼウレタンが加水分解を起こしてしまうのです……。
過酷な労働履きなら毎日のヘビロテによって加水分解より先に本体が潰れてしまうかもしれませんが、そうはいってもREDWING。アッパーはすこぶる丈夫です。
ましてやファッションで日常履きする程度ならアッパーがダメになるケースはほぼありません。
加水分解で諦めてしまうのはあまりに勿体無いでしょう。
と言う事でソール周りは全て直してまた履けるようにしていきましょう。
スーパーソールには熱可塑性ウェルトが縫い付けられており、その状態でソール金型に固定されます。
そして液状のウレタン材を高温で充填する事によりウェルトとの固着が完了するのです。
この方法によってダシ縫いを省くことができます。
つまりウェルトから縫い直せば通常のグッドイヤー同様に修理することが可能です。
(スーパーソールには存在しないダシ縫いもこの通り。アッパーとリンクさせた黒色ステッチ)
(レザーソールを基調にしつつも、VIBRAM2333&430HEELで実用性も十分に)
スーパーソールのボリューム感を踏襲する意味でレザーミッドソールも入れてどっしりとした雰囲気に仕上がっています。
お客様のオーダーでコバ色を赤茶に。
ブラックのアッパーと相まって、なんとなく”ROCK”な印象になりましたね。
YUMA.
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