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【RED WING8169】先芯抜き&ヒール付きペコスにカスタム

  • 6月6日
  • 読了時間: 3分


おなじみのトラクショントレッドを装着したペコス8169。


今回は大胆にイメチェンしました。

●カスタムメニュー

・VIBRAM705セパレートソール(シャンク新設)

・レザー積み上げ+ロガーヒール仕立て

・リウェルト+先芯抜き

熱ゴテ仕上げ


柔和なペコスブーツから、エンジニアやロガーブーツにも通ずるストロングなスタイルに様変わりしました。

ヒールが付くとクラシックなワークブーツっぽくなるので当店でも人気のカスタムです。


ところで、ヒール付きにする場合には重要な構造変更が必要になります。

それは「シャンク」を追加することです。


シャンクとは土踏まず部分に内臓される強固な芯材

荷重を受け止めつつ、バネのようにしなることで体重移動をスムーズに行い歩行のエネルギーに変換してくれる重要なパーツです。

これがないと屈曲位置がズレて歩きにくかったり、アッパーや底材の歪みを助長してしまいます。

シャンクゾーンが接地しているトラクショントレッドソールのモデルは、最初からシャンクが入っていません。アウトソールがシャンクの役割を果たしているからです。

ヒール付きソールに変更する場合、シャンクゾーンを支えるためにシャンクを新設する必要が出てきます。



通常シャンクは木型形状に合わせて取り付けられますが、修理時に新設する場合は中底型の抑揚に沿うように設定を合わせなければいけません

設計が近い木型に合わせてハンマリング(ハンマーで成形する工程)した後、万力で手曲げして微調整していきます。

曲げすぎると金属疲労で折れやすくなってしまうので「ちょこっと」にとどめるのが大事です。

そもそものヒールハイト設定が異なる場合は、無理に合わせず素直に近似のシャンクを仕入れましょう。

依頼品ごとにサイズや状態の異なる条件でも対応する修理屋ならではのやり方とも言えます。



中底にぴったり合ってサイドから踏まずの立ち上がりを確認したらOK!


(先芯はシャンクやウェルトをつける前に抜いておく)
(先芯はシャンクやウェルトをつける前に抜いておく)

あとは通常通りコンストラクションし、仕上げていきます。


今回は染料ベースのインクを使って「艶やかな透明感」を引き出したいとのリクエスト。


(革の表情が出やすい染料インクを採用)
(革の表情が出やすい染料インクを採用)

過去のブログでも何度か紹介している”WAXの熱含浸”を施して、強度と美しさを高めていきます。

ソールのエッジを整える専用工具『コテ(アイロン)』を使用します。



(電熱器やアルコールランプ、有線アイロンなど作業者によって加熱方法は様々)
(電熱器やアルコールランプ、有線アイロンなど作業者によって加熱方法は様々)


作業自体は焼いたコテでWAXを融かしながら、コバに伸ばして拭き取るというシンプルなもの。

でもコテの温度やWAXとインクの相性、拭き取りの加減などで質感や仕上がりに変化が生じます。

手間はかかりますがやるほどに奥深く、とても楽しい作業のひとつです。




革とは繊維質の集合体でそれぞれが複雑に絡み合うことで成り立っています。

この繊維の隙間までWAXを染み込ませることで、履き込んでもふやけにくい強いソールエッジになるのです。

繊維の表面が平滑になるのでその副次的効果としてちゅるっとした光沢感も生まれます。



綺麗目なドレスシューズにしばしば用いられる手法ですが、ハードに履き込むブーツに施してあげるのも有効だと思います。

艶と枯れのコントラストもそれはそれで美しいものですし、より晒される負荷が高いならなおのことスペックを高めるべきです。


溢れるこだわりを反映させたカスタムは、それぞれいかなるスタイルであれドラマチックなパワーを放っているように感じます。


YUMA.


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