
Dr.Soleの2025年新作マテリアルが登場です。
従来のTumazがガラリと姿を変えて生まれ変わりました。
変更点は三つ。
①ツキノワグマをイメージしたブラックカラーから、アーミーグリーンカラーに。
②コンパウンド(素材配合)がニトリルブタジエンからブタジエンに。
③ソールとヒールが一体型(ユニットソール)から積み上げ型に。


①は言葉なくして一目瞭然。
ややくすんだグリーンで、ミリタリーテイストが漂います。
現行では、スーパーグリップシリーズの鮮やかなJADE(翡翠)とコルク粒入りのアーミーグリーンが緑系ソールとして展開されています。

(左がコルク入りアーミーグリーン、右がジェイド)
コルク粒が入っているとワーク系の装いに引っ張られてしまいがちですので、プレーンなアーミーグリーンは汎用性が高くカスタム素材としての自由度が上がります。
RED WINGやCHIPPEWAといったアメリカ系ワークブーツはもちろん、コーコランのジャンプブーツ、登山靴ルーツのパラブーツなど、ハマりそうなモデルはいくつも思い浮かびます。
実は開発段階で、我々Dr.Soleディーラーたちを対象にニーズのヒアリングを受けましたが、私はコルクなしアーミーグリーンが欲しい!と熱烈にリクエスト。結果的に採用していただいた以上はたくさん売らにゃなりません笑
公式では”Army Green”表記ですが、緑色のTUMAZ(ツキノワグマ)ですので、うちでは”Takeyabuモデル”ってなニックネームでメニュー表にラインナップしておきます。
ここからは機能面の話。単なる色違いじゃございませんよ、ということです。
②コンパウンドがニトリルブタジエンからブタジエン主体のラバーに変更されました。
そもそもゴム素材は様々な材料を掛け合わせて機能性を発揮しています。まさに料理のレシピみたいなものです。
代表的なゴム材料でいうと、天然ゴム、スチレン、ブタジエン、ニトリル、ブチル、フッ素ゴムなどなど……。
それぞれに特徴やメリデメがあります。
どんなシチュエーションで使用するゴム部材なのかを明確にしてからレシピを組まないと、用途と物性のミスマッチが起きてしまうのです。
靴底部材に使うゴム素材に求められる機能性は色々あります。
・耐摩耗性
・耐候性
・防滑性
・屈曲性
・衝撃吸収性 などなど……。
従来のTumazではニトリルブタジエンが採用されていました。
ニトリルは耐油性・耐薬品性に優れており、安全靴や作業靴にしばしば採用されています。デメリットは硬さと重さ。まさにタフガイ好みのそれです。

(車イジリが好きな人は耐油性のあるユニットTumazがいいでしょうね。)
実はブタジエンもタフな素材で耐摩耗性が優れています。
日本国内のとあるラバーソール工場の社長さんは「とりあえずブタジエン入れとけ~」が口癖だったそうです。
新Tumazは耐油性をカットする代わりに、耐久性を担保したまま屈曲性・柔軟性を向上させたコンパウンドになっています。
店頭でも「TUMAZ使ってみたいけど、ちょい硬いよね」というためらいの声があったので、選択肢が増えることでそれぞれのニーズに応えやすくなりました。
ぜひ店頭で触って比べてみてください。だいぶ違いますよ。


そして③
ヒールが分離型になっているので積み上げ革を併用することでヒールピッチ(ヒール高)をコントロールすることができます。
さらにトップリフトのサイズも変えられるのでテーパードヒールやロガーヒールといった極端に小さいトップリフトをつける仕様にも対応できます。
これは様々な設計、仕様の靴がやってくる修理屋にはありがたい変更点。
これまで材料の制約に縛られてできなかった新たなカスタムスタイリングが実現できます。

(積み上げに一段でも革が挿入されるだけで、ブーツ全体にグッとナチュラル感が漂います)
ブーツ用ソールが続々廃盤の憂き目にあっている昨今において、こうして新たなソールが選択肢に増えてくれるのはとてもありがたいことです。
YUMA.
ゴム製のソールってレザーミッドソールに直接くっつけても剝がれにくいですか?